認定理学療法士とは、「日本理学療法士協会が認定している資格制度で、理学療法士の専門性をより高めていくこと」を目的としており、日本理学療法士協会が取得を推進している資格です。
専門領域および分野に関しては、7領域32分野に分かれています。
また資格取得には、日本理学療法士協会会員であり、その分野に必要な研修会等において必要ポイントを取得し、さらに領域に関する10症例の報告および認定試験に合格する必要があります。
今回、この認定理学療法士試験に、リハビリ室から新たに5名が合格しました。
友成美貴:脳卒中認定理学療法士
若山憲市:介護予防認定理学療法士
秦麻友:脳卒中認定理学療法士
西本篤史:循環認定理学療法士
高田杏:運動器認定理学療法士
認定理学療法士の取得までに学んだことを、今後の臨床へ活かしてもらいたいと思います。
当院 消化器内科三好人正が癌領域で世界的権威のある科学論文雑誌「Molecular Cancer」【2021 Impact Factor: 41.444】に掲載されました(2022年2月11日)。
食道癌を早期に発見するための新たなバイオマーカーの開発に関する研究報告です。
「A microRNA-based liquid biopsy signature for the early detection of esophageal squamous cell carcinoma: A retrospective, prospective and multicenter study」
(食道癌を早期に検出できる血液中マイクロRNAを用いた診断モデルの開発:多施設後ろ向き・前向き研究)
Miyoshi et al. Mol Cancer.
【研究の概要】
食道癌はあらゆる癌のなかで治療が難しく、予後が悪い癌の一つですが、早期に発見されれば内視鏡的治療で根治が期待できます。しかし現在、血液検査など体の負担の少ない検査で、食道癌を早期に発見できるバイオマーカーはありません。本研究では世界でも食道癌が特に多いアジア・アフリカを含めた多国籍・多施設から収集した約1800の食道癌組織・血液検体と食道癌の遺伝子発現プロファイリングを分析したパブリックビッグデータを用いて解析を行いました。血液中にごく微量に存在するマイクロ RNAと言われるRNAの小さな破片を正確に測定することによって、血液から非常に高い精度で食道癌を検出できる診断モデルの作成に成功しました。さらに、前向き検証試験でも、ステージ1の食道癌を89%の非常に高い確率で検出できることを証明しました。本研究は、微量の血液検査で症状がない段階から食道癌を早期発見できる可能性を示しました。今後、血液検査による食道癌スクリーニングを確立することにより、世界の食道癌診療にパラダイムシフトをもたらす可能性があります。
2021年12月23日に、岡山ハートクリニックの診療放射線技師2名が、当院に2021年9月より導入され、国内でも数台しか稼働していないフィリップス社製2層検出器搭載256スライスCT 最新型モデル「Spectral CT 7500」の施設見学に来られました。
循環器領域CT検査の経験豊富な岡山ハートクリニックの放射線技師の方々の見学とあって、当院のCT検査担当技師も緊張した面持ちで施設見学が始まりましたが、お互い同じ診療放射線技師同士ですので、次第に打ち解けて和気あいあいとした雰囲気となりました。見学中には、お互いの病院の循環器領域におけるCT撮像についての情報交換も行うことが出来、当院での今後の検査に良い刺激を受けました。
当院リハビリ室の秦麻友PTが奨励賞を受賞しました。
今年1年でダブル奨励賞受賞になります。
第31回徳島県理学療法士学会:奨励賞受賞
演題:『重度片麻痺を呈した血液透析患者の歩行獲得までの臨床経験-生活期リハビリにおいて患者の主体性を引き出すアプローチ-』
第55回四国透析療法研究会:奨励賞受賞
演題:『バス通院の昇降が困難な血液透析患者に対する「昇降強化型リハビリメニュー」の効果』
さらなる今後の発展を楽しみにしています。
2021年12月18日より開催された、第17回中四国放射線医療技術フォーラムにて、本来は、鳥取県米子市の会場にて発表予定ではありましたが、コロナ禍のため予定変更となり現在、主流になっているWeb形式にて発表してきました。
初めての学会発表+Web発表でしたので、不慣れなこともあり準備段階から手探りではありましたが、先輩のアドバイスをもらいながらなんとか無事に終えることができました。
スライド作成風景
私はMRI部門(躯幹部領域)の「前立腺癌検索における非造影MRIでの優先撮像シーケンスに関する検討」についての発表を行いました。腎不全患者さんが多くおられる当院では、腎臓に負担のかかる造影剤を使用せずに前立腺MRI検査を求められることがあります。非造影での前立腺MRI検査で使用される様々な撮像条件の中で、どの撮像条件を優先するのが診断能向上に繋がるのか、優先した撮像画像の精度はどの程度保たれているのかについて報告をしました。
MRI分野以外にも他の施設の発表は中国四国地方から選出されただけあり、各施設の現状も踏まえた上での工夫を凝らした検査方法や、装置の基礎的な性能評価、当院装置でも参考にしたいような撮像手技などがありました。質疑応答では様々な意見や質問を聞くことができ非常に有意義な時間となりました。
今回の学会発表にあたり、研究発表経験の多い先生方や先輩の適切なアドバイスもありスライド作成の段階から勉強になることばかりでした。自分で言うのもおこがましいですが、少しばかり成長できたと思います。
来年度も日々努力して、研鑽を重ねることで、川島病院の画像検査の診断能向上に寄与し、またこの貴重な経験を後輩に受け継いでいければと考えております。