前立腺がんは、PSA(腫瘍マーカー)やMRI・超音波検査で疑われた場合、最終的に「前立腺生検」で診断を確定します。
前立腺生検は、前立腺を超音波で観察しながら、細い針で組織を採取してがんの有無を調べる検査です。
検査の前にMRIを撮影し、がんを疑う部分を確認しておきますが、実際の生検時にはその部位が超音波では見えにくいことがあります。
この場合、医師はMRI画像を思い描きながら針を刺す位置を決めていましたが、経験や勘に頼る部分があり、病変部を正確に採取できないことがありました。
この課題を解決するために開発されたのが「MRI-超音波融合前立腺生検(MRIフュージョン生検)」です。
当院では、最新システム「ARIETTA 65 IntuitiveFusion」を導入しています。

MRIで撮影した高解像度画像とリアルタイムの超音波画像をコンピューター上で融合し、どの位置を採取すればよいかを画面上で確認できる仕組みです。
これにより、狙った病変を正確に採取でき、がんの診断率が向上します。
従来の生検は、運転技術に頼ってバックしていたような状態でした。
MRI融合生検では、針を刺す位置が画面上にガイド表示され、まるでバックモニターのように、経験に頼らず確実に目標をとらえられるようになります。
MRIで異常が見えない場所にも、がんが存在することがあります。
そのため、融合生検で標的部位を狙うだけでなく、前立腺全体をまんべんなく10〜12か所以上採取することも重要です。
| 従来の超音波単独生検 | MRI-超音波融合生検 | |
|---|---|---|
| 標的の見え方 | MRI画像を参考に医師が推定 | MRIと超音波を融合して視覚的に確認 |
| 採取精度 | 医師の経験に左右される | 病変部を高精度に採取可能 |
| 再検査の必要性 | 再検査になることがある | 減少傾向(診断精度向上) |
| 従来の超音波単独生検 | |
|---|---|
| 標的の見え方 | MRI画像を参考に医師が推定 |
| 採取精度 | 医師の経験に左右される |
| 再検査の必要性 | 再検査になることがある |
| MRI-超音波融合生検 | |
| 標的の見え方 | MRIと超音波を融合して視覚的に確認 |
| 採取精度 | 病変部を高精度に採取可能 |
| 再検査の必要性 | 減少傾向(診断精度向上) |
MRI-超音波融合前立腺生検は、がんの見逃しを減らし、より正確に診断を行うための最新技術です。
患者さんの身体的・精神的負担を軽くし、早期治療への道をサポートします。
ご不明な点がありましたら、医師・看護師までお気軽にご相談ください。