当科では「尿蛋白から透析療法、移植まで」をモットーに、腎臓内科領域のすべての医療を提供します。腎臓病は進展し末期腎不全になると腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)が必要になります。しかし、早期に腎臓病を発見して適切な治療を行えば病気を寛解できたり、病気の進行を抑えたりすることが可能となります。腎臓内科は即ち「透析にならないようにする」事を主たる目的としております。
日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本高血圧学会、日本アフェレシス学会などの専門医、指導医を含め8名の医師で構成されております。慢性腎臓病をはじめ急性腎障害まで全ての腎疾患を診療しております。透析では血液透析、血液透析濾過、在宅血液透析、腹膜透析という、現時点において我が国で施行されているすべての透析療法を提供します。さらに腎移植療法も施行しております。血液浄化療法(血漿交換、吸着療法、DFPP、LDLアフェレシスなど)の適応疾患に対しては、血液浄化療法を施行しております。
主な腎臓病疾患の原因としては①糖尿病、②慢性腎炎(主にIgA腎症)、③ネフローゼ症候群(微小変化型ネフローゼ症候群、膜性腎炎、膜性増殖性腎炎、巣状分節性糸球体硬化症など)、④高血圧性腎硬化症 が挙げられます。その他にも急速進行性糸球体腎炎、ループス腎炎、腎アミロイドーシス、血管炎、Fabry病、多発性嚢胞腎、骨髄腫、薬物性腎障害など多数の病気が存在します。腎臓病の多くは、無症状で進展するものが多く自覚症状もない場合があり、採血・検尿、エコー・CTといった検査が必要となります。その病態を適切に診断するためには腎生検という検査が必要となります。
常染色体優性多発嚢胞腎(ADPKD)の診療にも力を入れています。2014年にトルバプタンが世界初の腎不全進行抑制の薬として承認されました。日本では左右の腎容積の合計750mL以上、年間増大率5%以上であれば治療適応となり、保健所に所定の申請手続きを行い認定されると、医療費の助成が受けられます。4〜5日間の入院で、専門医による飲水・服薬指導、体重管理を含むクリニカルパスにより、患者様が不安を解消し安全にトルバプタン治療を開始することができるよう取り組んでおります。
明らかな腎臓病や腎機能が低下する病態を慢性腎臓病(CKD)と呼んでいます。慢性腎臓病では、腎臓以外にも心機能への影響、血液への影響(主に貧血)、骨への影響、全身の血管への影響、電解質への影響、尿酸への影響、血圧への影響、糖尿病の管理、全身感染症の予防など、全身に気を配られなければいけません。当科では腎臓病の治療はもちろん、このようなトータルな管理を他の診療科と共に行っております。また、患者様を対象とした腎臓病教室も定期的に開催しております。
「検尿異常(尿蛋白・尿潜血など)を指摘された」「血清クレアチニンの上昇を指摘された」といった、腎臓病が疑われるような異常を指摘された方は当科を受診して下さい。
当科は移植腎生検を含め年間50-70件の腎生検を施行しており、徳島県内で有数の腎生検実施施設です。4〜5日間の入院で、患者様が安全かつ快適に腎生検を行うことができるよう努めております。生検後には毎週の腎炎カンファレンスで診断と治療方針を決定し、一貫してスムーズに治療ができるように取り組んでおります。
IgA腎症 | 115 |
---|---|
巣状分節性糸球体硬化症 | 39 |
膜性腎症 | 36 |
微小変化型ネフローゼ症候群 | 28 |
腎硬化症 | 25 |
糖尿病性腎症 | 20 |
間質性腎炎 | 20 |
ANCA関連腎炎 | 12 |
メサンギウム増殖性糸球体腎炎 | 11 |
アミロイド腎 | 5 |
膜性増殖性糸球体腎炎 | 4 |
肥満関連腎症 | 3 |
Fabry病 | 2 |
紫斑病性腎炎 | 2 |
菲薄基底膜病 | 2 |
イムノタクトイド糸球体症 | 1 |
急性尿細管壊死 | 1 |
クリオグロブリン血症性糸球体腎炎 | 1 |
軽鎖近位尿細管症 | 1 |
溶連菌感染後糸球体腎炎 | 1 |
ループス腎炎 | 1 |
抗糸球体基底膜腎炎 | 1 |
半月体形成性糸球体腎炎 | 1 |
IgA腎症 | 115 | 巣状分節性糸球体硬化症 | 39 |
---|---|---|---|
膜性腎症 | 36 | 微小変化型ネフローゼ症候群 | 28 |
腎硬化症 | 25 | 糖尿病性腎症 | 20 |
間質性腎炎 | 20 | ANCA関連腎炎 | 12 |
メサンギウム増殖性糸球体腎炎 | 11 | アミロイド腎 | 5 |
膜性増殖性糸球体腎炎 | 4 | 肥満関連腎症 | 3 |
Fabry病 | 2 | 紫斑病性腎炎 | 2 |
菲薄基底膜病 | 2 | イムノタクトイド糸球体症 | 1 |
急性尿細管壊死 | 1 | クリオグロブリン血症性糸球体腎炎 | 1 |
軽鎖近位尿細管症 | 1 | 溶連菌感染後糸球体腎炎 | 1 |
ループス腎炎 | 1 | 抗糸球体基底膜腎炎 | 1 |
半月体形成性糸球体腎炎 | 1 |