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糖尿病の食事療法

糖尿病の食事療法は、良好な血糖コントロールを保ちながら、さまざまな合併症を防ぐことを目的としています。

ポイント1 自分に合ったエネルギー量の食事をとる

適正な体重(太り過ぎずやせ過ぎず)を保ちながら、日常生活に必要なエネルギー量の食事をとることが大切です。
1日の適正なエネルギー量の計算には下の式が用いられますが、年齢や病態、身体活動量などにより異なるため、実際には主治医と相談して決めてもらいましょう。

適正なエネルギー量(kcal/日)=目標体重(kg)注1×エネルギー係数(kcal/kg)注2
注1
目標体重(kg)
65歳未満 :
身長(m)×身長(m)×22
65~74歳 :
身長(m)×身長(m)×22~25
75歳以上 :
身長(m)×身長(m)×22~25

※現体重に基づき適宜判断する

注2
エネルギー係数(kcal/kg)
軽い労作(デスクワークが多い職業など):
25~30
普通の労作(立ち仕事が多い職業など) :
30~35
重い労作(力仕事が多い職業など)   :
35~

「エネルギー量をおさえる」ためのコツ

  • 食器をひと回り小さいものに
  • 調理法を変えてエネルギーダウン
  • 食後血糖値の上昇をおさえる食べ方
    ・野菜から先に食べる(図)
    ・よくかんでゆっくり食べる

ポイント2 主食・主菜・副菜で栄養のバランスを整える

主食には、ご飯・パン・めんなど炭水化物(糖質)の多い食品が含まれます。
主菜には、魚・肉・卵・大豆製品などたんぱく質と、油・バターなど脂質を多く含む食品が含まれます。
副菜には、主に野菜・海藻・きのこなどビタミンミネラルを多く含む食品が含まれます。
この主食、主菜、副菜の3つをそろえることを意識するだけで、自然と5種類の栄養素をまんべんなくとることができます。
例えば、ラーメン+チャーハンの組み合わせは、主食(炭水化物)のみに偏った食事となりますが、焼き魚定食なら主食・主菜・副菜の3つをとることができます。栄養のバランスを整えることで、血糖値の上昇を防ぎ健康的な食生活を送りましょう。

「栄養バランスを整える」ためのコツ

  • 主食は白色よりも茶色の食品を
  • 主菜は肉・魚・卵・大豆製品をローテーションで
  • 野菜や海藻類は毎食1~2皿添えて
    ・食物繊維が糖質やコレステロールの吸収を緩やかにする効果あり

糖尿病食1600kcal献立例

朝食卵豆腐ともやしの炒め物の献立

献立1人分
エネルギー 544kcal
たんぱく質 16.7g
脂質 17.5g
塩分 2.5g

材料[1人分]

卵豆腐
卵豆腐(市販品) 50g
添付のたれ 1袋
もやしの炒め物
もやし 30g
ピーマン 15g(小 1/2個)
しいたけ 10g(1/2個)
ベーコン 5g(1/4枚)
3g(小さじ1弱)
A 少々
しょうが(すりおろす) 少々
薄口しょうゆ 2g(小さじ1/3)
みりん 2g(小さじ1/3)
みそ汁
キャベツ 20g
わかめ もどして5g
みそ 6g(小さじ1)
だし汁 100ml
青ねぎ 少量
ご飯 140g
牛乳 200ml
フルーツ
パイナップル 70g

作り方

もやしの炒め物

  • 1ピーマン、しいたけは細切りにし、ベーコンは1㎝幅に切る。
  • 2フライパンに油を熱してベーコンを炒め、ピーマン、しいたけ、もやしの順に入れて炒める。
  • 3火が通ったら、混ぜ合わせたAで調味する。

昼食牛肉のおろしさっぱり焼きの献立

献立1人分
エネルギー 597kcal
たんぱく質 22.7g
脂質 18.9g
塩分 2.0g

材料[1人分]

牛肉のおろしさっぱり焼き
牛薄切り肉 60g
塩・こしょう 少々
玉ねぎ 15g
大根(すりおろす) 40g
かつお節 1g
ポン酢しょうゆ 7g(大さじ1/2)
ブロッコリー 30g(2房)
マヨネーズ 5g
煮物
えび団子 20g(2個)
かぼちゃ 40g
スナップえんどう 20g
A 砂糖 2g(小さじ2/3)
薄口しょうゆ 3g(小さじ1/2)
みりん 1g(小さじ1/5)
だし汁 25ml
野菜サラダ
きゅうり 30g
レタス 5g
コーン 5g
ドレッシング 5g
ご飯 140g
フルーツ
オレンジ 70g

作り方

牛肉のおろしさっぱり焼き

  • 1玉ねぎはくし切りにする。塩・こしょうで下味をつけた牛肉をフッ素樹脂加工のフライパンに広げてから火をつけ、両面焼けたら一度取り出す。
  • 2同じフライパンに玉ねぎを加えてしんなりするまで炒め、牛肉を戻し入れてから皿に盛り付ける。
  • 3②に大根おろし、かつお節をのせ、ポン酢しょうゆをかける。ゆでたブロッコリーとマヨネーズを添える。

煮物

  • 1かぼちゃは食べやすい大きさに切る。スナップえんどうはゆでて湯を切る。
  • 2鍋にAを入れてひと煮立ちさせ、かぼちゃとえび団子を加えて煮含める。
  • 3皿に盛ってスナップえんどうを添える。

夕食さばのごま醤油焼きの献立

献立1人分
エネルギー 508kcal
たんぱく質 22.1g
脂質 11.8g
塩分 1.9g

材料[1人分]

さばのごま醤油焼き
さば切身 60g(1切れ)
A 濃口しょうゆ 3g(小さじ1/2)
みりん 1g(小さじ1/5)
白すりごま 1g(小さじ1/3)
チンゲン菜 20g
パプリカ(黄) 15g
にんじん 15g
B ごま油 1g(小さじ1/4)
薄口しょうゆ 2g(小さじ1/3)
みりん 1g(小さじ1/5)
砂糖 0.5g(小さじ1/6)
田楽
さといも(冷凍) 40g(2個)
はんぺん 20g
さやえんどう 5g
だし汁 30ml
C みそ 4g(小さじ2/3)
砂糖 3g(小さじ1)
みりん 3g(小さじ1/2)
いんげんのピーナッツ和え
さやいんげん 30g
バターピーナッツ 4g
D 薄口しょうゆ 1.5g(小さじ1/4)
みりん 2g(小さじ1/3)
だし汁 2ml
ご飯 140g

作り方

さばのごま醤油焼き

  • 1混ぜ合わせたAにさばを入れて5分ほど漬け込む。
  • 2魚焼きグリルで①のさばを焼いて盛り付ける。
  • 3チンゲン菜は2㎝幅、パプリカ、にんじんは細切りにし、ゆでて軽くしぼる。
  • 4ボウルにBを混ぜ合わせ、③の野菜をあえてナムルを作り、さばに添える。

田楽

  • 1だし汁で里芋と3㎝角に切ったはんぺんを煮る。さやえんどうはゆでて湯を切る。
  • 2小鍋にCを混ぜ合わせてから火にかけ、へらで混ぜながらとろみがつくまで煮る。
  • 3①を皿に盛り、②のみそだれをかける。